カーテンレール
欧米のインテリアの歴史では、時代に沿ったウィンドウトリートメントがなされ、その一部としてカーテンレールも装飾性を持たせたレールが登場してきました。
現代の日本では、カーテンレールは大きく分けて、飾りを持たせた装飾レール、静音・滑りやすさなど機能を重視した機能レール、そして、その機能レールに装飾性を持たせた機能性装飾レールに分けられます。
装飾性カーテンレール…文字通りデザイン性を重視した見せるためのレールです。組成も木、アルミ、真鍮、鉄など様々な組成から作られています。装飾性を重視しているため、テイストもクラシカルなものからモダンなもの、エレガントやカントリー風なものに至るまで、インテリアスタイルを考慮して、さまざまなジャンルのレールが販売されています。お部屋の雰囲気、カーテンの色柄との相性も踏まえて決めていく必要があります。
機能性レール…こちらは機能を重視したレール。静音や滑りやすさを重視している傾向が強いので、組成はステンレス、スチール、アルミ、樹脂などになります。装飾レールと比べると、価格は抑えられているものが多く、色も多色展開されているものがほとんどです。また、装飾レールと組み合わせることも可能で、ドレープのカーテンは装飾レールで、レースは機能レースにすると言った組み合わせも多々あります。マンションなどはカーテンボックスというくぼみの中にこう言ったアルミの機能性レールがついている所が多くなっています。
新築の戸建でレール施工をする場合、どんなお部屋にしたいのか、予算はどれくらいで考えているのか、諸条件を踏まえて、各部屋のレールを決められると思います。最近、件数的に多いものは、お客さんなど来店があるリビングは装飾レールで飾りを持たせ、それ以外のお部屋-寝室や子供部屋、書斎などは機能レールで価格を抑えるという方もいらっしゃいます。また、機能レールの色もあまり目立たせないために壁紙と同系色のホワイト系のレールを選ばれる方が多い傾向があります。また、機能性レールの特徴(滑りやすさ)を維持しつつも、キャップなどに装飾性を持たせたレールも続々と開発されています。TOSO社のレガートや立川ブラインド社のビバーチェなどはその例で、キャップ幅の狭いMキャップにしてリターン金具を付けることにより、横からの冷気や光の侵入を防いでくれる効果があります。
【レールを選ぶ際の注意点】
・窓周りの環境を確認しましょう…通常機能レールの場合窓枠の上50~100㎝程度の所に付け、レールの幅は窓枠の幅に対して片側+70mm~100mmほどプラスしてレールを取りつけます。その際に、窓枠の横にエアコンがぶつからないか、すぐそばに壁が来ていないか、開き戸のドアはないか、窓周り周辺を確認しましょう。あまり枠から外側にスペースがないようであれば、装飾レールで大きなキャップを付けるカーテンレールはつけられない可能性があります。
・下地の有無、位置を確認しましょう…基本的にカーテンレールはブラケットというレールを取り付ける金具を壁、もしくは天井にビスで留める施工になります。それに伴い、ビスがしっかりと打ち込める下地があるかどうか確認しておきましょう。ホームセンター等に下地探しという下地の有無を確認できるものも販売されていますし、不動産、工務店の方に聞いても良いでしょう。下地の有無もしくは位置によっては希望とするカーテンレールを付けられないということもあります。レールを購入する前に確認した方がよいでしょう。
【カーテンレールの操作方法】
カーテンを開閉しない固定式を除いて、日本ではカーテンはほとんどが手動による開閉になります。それ以外は紐引きや電動があります。
紐引きはカーテンの傷みを軽減してくれます。特に幅の大きな窓や高さのある窓を手動で開閉する場合はカーテンへの負担が大きくなります。
また、構造上、開閉しにくい場所にあるものなど、紐引きカーテンはカーテンを長持ちさせる上でも効果的です。
電動レールはこれまでは高額な商品しかなかったのですが、近年ではリモコンで動かせるリモコン式カーテン開閉装置など、価格帯も抑えられたものが出てきています。今後は、特に高齢者のいる住宅向けなど、リモコン、タイマー、センサー式など、こういったレールの需要は増えていくことが予想されますので、どういった場所で、どういった趣旨で使用されるのかも考慮しながらレールを考えるとよいかと思います。